喜劇日本映画頂上決戦 伊東四朗一座・熱海五郎一座2009/05/17 22:00

伊東四朗熱海五郎一座パンフレット
青山劇場にて2日目の舞台を観た

東京の喜劇人、特に伊東四朗を慕う人々大集合の一座による舞台である。もう何年も伊東四朗と三宅裕司を中心にした舞台が演じられてきているが、最初の頃は二人芝居に小倉久寛がからむ程度のこじんまりした舞台だった。多分三宅裕司が東京の喜劇を継承させることを願って、仲間たちを募り、大がかりな舞台に発展させてきたのだろうと思う。

現在メディアにはびこっている関西系の「お笑い」とは全く異なる世界が展開される。

料理の東西比較で西は薄口で上品、東は辛口で下品みたいに言われるが、こと笑いに関してはこれが全く逆になる。とにかく出演者みんな品がいいというか軽いのである。

ただし西の笑いとは言ったが、西に関しては80年代の漫才ブーム以降の吉本限定かもしれない。たとえば桂米朝の軽さというか上品さにならべられる東の芸人は、今は亡き古今亭志ん朝くらいか。

吉本に代表される「お笑い」は関西と言っても京都から大阪、神戸に至る東西方向のセンスではない。大阪市の南部から堺・岸和田和歌山に至る南北方向と神戸以西の関西の田舎のセンスではないかという勝手な仮説というか印象を長いこと持っている。

細かい感想はまたあらためて記したいと思うが、本日の最高の収穫はやはり生で「生きている」中村メイコを観ることができたことだ。古川ロッパその他戦中から戦後,きら星のごとく輝いていた喜劇人たちと共演していた彼女がまだ健在で、今おそらく東京現役で最高クラスの喜劇人たちと共演している。それだけで幸せな経験をさせてもらった。

立川談春@三鷹芸術文化センター2009/05/30 11:30

前から3列目、ちょっと右側に外れているがしょせん定員300名ほどの小さな小屋なのでまったく気にならない。

演目は前座の小春が「金明竹」、その後談春で「不動坊」、休憩をはさんで「木乃伊とり」。

昨年大井町での三三、喬太郎、談春の三人会で聴いたらくだのような演者も客も体力を消耗するような大ネタではなく軽めの噺だけれどもそれぞれ登場人物が多く、演じ分けるのがかなり大変そうな演目を軽妙に語ってくれました。

不動坊の中に出てくる噺家をこぶ平の正三の物まねで登場させた瞬間、思わず大受けしたんですが、けっこうわからなかった人が多いみたいでした。

三鷹芸術文化センター星のホールは今時の興業にとっては小さすぎる小屋かもしれないけれど、客席と舞台が手を伸ばせば届きそうなくらい近くて今まで行った小屋の中で大好きなところの一つです。